「デフレ対策と経済学の理論に基づく政策応用の限界について」

日本銀行は、デフレ脱却を目指し、「量的・質的金融緩和」、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を強化する形で、2016年9月より「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入しましたが、成果は出ていません。


デフレーション(デフレ)は、物価(財やサービスの価格)が持続的に下落していく現象です。
価格は、需要と供給のバランスにより決定されており、物価下落の背景には、技術革新による供給力の向上や需要の低迷が存在しています。


デフレの問題点とは、長期間持続した場合に、賃金低下 ⇒ 消費縮小 ⇒ 投資縮小のスパイラルを招き、国内の生産活動が徐々に縮小してしまう可能性があることです。


(日本では、2008年のリーマンショック後に一時的に実質GDP(=国内の財・サービスの総生産量)は低下していますが、1990年以降も増加していますので、生産活動の縮小は生じておらず、貨幣価値の上昇が主であると思われます。)


また、デフレ下では、借入金の実質的な価値は時間とともに上昇しますので、投資家や企業家が、資金を調達し、生産設備を増やしづらい環境となります。

(そもそも、需要(=売れ行き)が見込めなければ、企業家は投資をしませんが。)

次に、
デフレからの脱却、つまり、インフレを生じさせるためには、
需要>供給の関係を作る必要があります。


供給については、

財は、手工業品を除くと、工場での大量生産が可能ですので、供給量を増やすことは比較的簡単です。

サービスは、医療サービス、法律サービスな、教育サービスなどがありますが、人の手で創出されるものであり、生産量を数倍~数十倍と増大させるのは困難です。
(ネットのアプリや漫画のような知的財産サービスは増やせます。)


供給、特にサービスの供給については、労働条件の保護強化による労働力の供給を減らすことにより、制限できるでしょう。

需要については、
① 金利引き下げによる投資環境の改善
② ETF等の株式買い入れによる資産効果
③ 財政出動による需要創出     
④ 金融緩和による円安誘導    等で行う事ができます。


では、日本銀行の政策が著効しない背景とは、何なのでしょうか?

それは、
① 理論上は、マイナス金利政策は可能です。しかし、多くの人は、お金の金額を見て、増えたか減ったかを判断するため、実質的貨幣価値の変動は体感できません。
② マネタリーベースを増やしても、需要がなければ、企業家は、資金を銀行から借り入れませんので、資金の貸し出しの増加(=投資増=需要増)には限界があります。
③ 株式の買い入れを増やし、株価を上げても、富裕層や企業が所有する株式の価格が上昇するだけで、一般の人には資産効果は及びません。
④ 円安になったが、世界的な需要不足があり、輸出は増えなかった。


以上のようなことが挙げられます。


日本のデフレの対策としては、金利をゼロまで低下させた後に、財政出動を行い、潜在的な需要がある(=お金がなくて欲しいものが買えない)労働者にお金を分配することで需要を創出できると思います。
また、特に何もしなくとも、将来的には、少子高齢化による労働者不足により、自然に供給力は低下し、デフレからインフレになるでしょう。


経済学は、市場経済全体から部分を抽出し、ある前提条件下で成り立つ一部分をモデル化することにより、経済全体を考察します。そのため、複雑系である経済を、モデル化し、単純化して考察しますので、各理論に不必要な部分(人間の感情や非合理性など)は抜け落ちます。
ある前提条件下でしか成り立たない部分的なモデルを使用して、実経済の全体を動かす形になりますので、経済学理論の金融政策には、限界が生じるのでしょう。



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プロフィール

服部 泰輔

Author:服部 泰輔
初めまして。服部 泰輔と申します。
本研究所は、日本の社会問題の 解決策を提案する政策研究所です。

本拠地は、愛知・岐阜になります

現在の日本では、高齢者向けの福祉を中心に拡充しつづけた結果、
教育・家族・労働者向けの予算は先進国の最低水準となっています。
また、大学の予算(科学研究予算)も減額が続いています。

これは、将来への投資を限界まで切り詰め、高齢者福祉に充てている末期的な状態と言えるでしょう。

さすがに、
この状況を放置しつづけると、
日本は破綻してしまいます。

将来的には、政党を立ち上げ、専門家・学識者で構成された政党を作りたいと考えています。

ですが、最終目的は社会の修復ですので、手段にはあまりこだわらずに状況に応じて柔軟に考えていきます。

気が向いたら、ご協力いただければ幸いです。

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